つらつら書きます
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エドティナのフォーリンラブ話です。
エド→ティナ、で間違いないような気がします。
しょうもない話なので、がっかりすること前提で読んで下さい。
エドガーとマッシュの会話ですすみます。
本文は下からどうぞ!
エド→ティナ、で間違いないような気がします。
しょうもない話なので、がっかりすること前提で読んで下さい。
エドガーとマッシュの会話ですすみます。
本文は下からどうぞ!
「マッシュ、聞いてくれるか」
「・・・・・・おう」
実のところ特に聞きたくはなかったが、特に聞きたくないということ以外に断る理由がなかったため、マッシュは素直に兄を振り返った。そもそも、感動的なエピソードをごく局地的に持つ両面表コインを、「世が平和になったあかつきにはコインチョコとして大々的に売り出そうな!」と輝く笑顔で言ってのけた兄である。あまり深く関わりたくない(でも双子だからそれは無理だ)。
だが、その台無しなプロジェクトをチョコレート好きだからまぁいっか、の軽さで承認した弟に何も言う資格はないだろう。幸いにしてエドガーもマッシュも、自分たちに漂うがっかりなオーラには気づいていない。
リルムは気づいていていつか画布に表そうと考えていたが、これは全くの余談である。
「で、どうした兄貴」
「マッシュ、ティナは変わったと思わないか」
「は? はあ・・・」
世界が一度、崩壊して。
みなが一度、拠り所を失って。
彼女も──ティナも、だいぶ変わった。いや、一番変わったと言ってもいいかもしれない。女の子として、女性として、人間として、そして・・・母親として。得られるもの全てをぐんぐんと吸収しているのだから。
でも個人的にはセッツァーとストラゴスのへたれっぷりの方が心に残ったマッシュである。
「だが兄貴、オレは個人的には・・・」
「セッツァーとストラゴスの話は今はいい」
どうしたことか、通じてしまった。
双子の神秘にしては少々内容がしょっぱい。
「・・・・・・ティナがどうしたんだよ」
「私は一度、出会い頭に彼女を口説いたことがある」
「まあ・・・兄貴だからな」
マッシュの言葉はなんだか慰め調であった。病気なんだから仕方ねぇよ、といったニュアンスをあからさまに含んでいた。だがエドガーは気にしない。気にしていたらやってられないからだ。
「あのときの彼女には全く通じずにスルーされたが、今ならどうなのだろう、と思うことがある」
「やめといたほうがいいと思うぞオレは」
別の意味でスルーされるから。
「・・・ああ、実は私もそう思う。傷つきたくない」
また通じてしまった。無念な双子である。
それでも、気をとりなおしたかのようにエドガーはマッシュを見据える。
「だが今回私が言いたいのはそれじゃない。実はなマッシュ、このあいだティナとセリスが、そのことについて話していた。私とティナの初対面の思い出について」
「へー」
「その、内容なのだが・・・」
~エドガー回想~
再会して、今度こそ完全に打ち解けたティナとセリスは、和やかにティータイム中であった。
やはりレディたちのおしゃべりはいい・・・と、物陰にいたエドガーも穏やかな気持ちになる。
セリスの明るい声が、こちらにまで響いてくる・・・
「あはは、エドガーらしいわね!」
「ええ・・・でも私、その時はほんとに何も分からなかったから・・・怪訝な顔をされちゃったわ」
「あら図々しい。怪訝な顔をするのはティナのほうでしょうに。いい、ティナ? 今同じことを言われたら、遠慮なくトランス後のフルパワーで大地に沈めて構わないのよ?」
「そ、そうなの!?」
「いえ・・・まあ、気持ち的には」
セリスがものすごく適当なことを教えている。
実行されたらどうしよう、とエドガーは自分の命に危惧を感じた。
「でも、ね。あのときは訳が分からなかったけど・・・今は、違う気持ちになるの」
つっかえつっかえ、ティナは話す。
まだ、自分の気持ちを表現することには、慣れていないのだろう。
『私の口説きのテクニックも、錆びついたかな?』
ティナは目を閉じて、ゆっくり考えているようだった。
そして、目を開けると──ふわりと微笑む。
「本当に・・・・・・いたたまれない、気持ちに」
花開くような、笑顔であった。
~回想終了~
「・・・・・・あ痛ー・・・」
「セリスもそれを聞いて、いたたまれない気持ちになったようだった。物陰にいた私に気づいて同情の目線まで送ってくる始末。だが次にセリスが口にしたことは否定ではなく、『まあ・・・そうよね、もっともね』だった。あのときばかりは私も、フェミニストの信条を砂漠に投げ捨てて討って出ようかと」
だがたぶん返り討ちにされるだろう。
「ああ・・・うん、色々残念だったな兄貴」
「しかもティナは本心から言っていた。そればかりか、『あほなんじゃないかと・・・今でも、そう思うの。これも私に感情が足りないせいなのかしら・・・?』とつっこみ所しかない発言をかぶせてきた。人をあほ呼ばわりしたことを感情が足りないせいにするのはどうだろう」
「ああ・・・うん・・・」
もはやまともな返答ができないマッシュである。
「だから私はいじけた気持ちになってチョコボに乗って遠くのオアシスまで行き、そこで完全にいじけて膝を抱えた」
「えぇー・・・」
「そしたら、心配して迎えに来てくれた」
「誰が」
「ティナが」
「・・・・・・・・・」
その珍妙な瞬間をマッシュは想像しようとして、そしてやめた。
人間だもの、知りたくないことだってある。身内の恥とか身内の恥とか身内の恥とか。
「彼女は、エドガーどうしたの、心配したのよ、と言うとひらりと馬からおりた」
「へ? 馬? チョコボじゃなくってか?」
「ああ馬だった。オーディーンの」
「オーディーンの馬! オーディーンはどうしたんだよ!」
「そこは積極的に考えないようにしている」
オーディーンには後で謝ったほうがいい(ティナが)。
弟の動揺からもそっと目をそらして、兄は淡々と続ける。
「彼女はいずれバハムートも乗りこなしてみせると言っていた」
「いや・・・何の話ししてんだよ」
「夢を語る彼女の瞳、筋骨隆々たる馬、そしてレベルの低い出現モンスターにまで容赦なくアルテマをかます可憐な姿を見て私は思った」
「や・・・え、可憐? でなく・・・ええと・・・兄貴?」
エドガーはくるりと振り向く。目が真剣だった。
「マジかっこいい、と・・・」
「帰ってこい兄貴!!」
しかし、陥った珍妙な世界から兄貴が帰ってくることは、結局なかったのである。
「・・・・・・おう」
実のところ特に聞きたくはなかったが、特に聞きたくないということ以外に断る理由がなかったため、マッシュは素直に兄を振り返った。そもそも、感動的なエピソードをごく局地的に持つ両面表コインを、「世が平和になったあかつきにはコインチョコとして大々的に売り出そうな!」と輝く笑顔で言ってのけた兄である。あまり深く関わりたくない(でも双子だからそれは無理だ)。
だが、その台無しなプロジェクトをチョコレート好きだからまぁいっか、の軽さで承認した弟に何も言う資格はないだろう。幸いにしてエドガーもマッシュも、自分たちに漂うがっかりなオーラには気づいていない。
リルムは気づいていていつか画布に表そうと考えていたが、これは全くの余談である。
「で、どうした兄貴」
「マッシュ、ティナは変わったと思わないか」
「は? はあ・・・」
世界が一度、崩壊して。
みなが一度、拠り所を失って。
彼女も──ティナも、だいぶ変わった。いや、一番変わったと言ってもいいかもしれない。女の子として、女性として、人間として、そして・・・母親として。得られるもの全てをぐんぐんと吸収しているのだから。
でも個人的にはセッツァーとストラゴスのへたれっぷりの方が心に残ったマッシュである。
「だが兄貴、オレは個人的には・・・」
「セッツァーとストラゴスの話は今はいい」
どうしたことか、通じてしまった。
双子の神秘にしては少々内容がしょっぱい。
「・・・・・・ティナがどうしたんだよ」
「私は一度、出会い頭に彼女を口説いたことがある」
「まあ・・・兄貴だからな」
マッシュの言葉はなんだか慰め調であった。病気なんだから仕方ねぇよ、といったニュアンスをあからさまに含んでいた。だがエドガーは気にしない。気にしていたらやってられないからだ。
「あのときの彼女には全く通じずにスルーされたが、今ならどうなのだろう、と思うことがある」
「やめといたほうがいいと思うぞオレは」
別の意味でスルーされるから。
「・・・ああ、実は私もそう思う。傷つきたくない」
また通じてしまった。無念な双子である。
それでも、気をとりなおしたかのようにエドガーはマッシュを見据える。
「だが今回私が言いたいのはそれじゃない。実はなマッシュ、このあいだティナとセリスが、そのことについて話していた。私とティナの初対面の思い出について」
「へー」
「その、内容なのだが・・・」
~エドガー回想~
再会して、今度こそ完全に打ち解けたティナとセリスは、和やかにティータイム中であった。
やはりレディたちのおしゃべりはいい・・・と、物陰にいたエドガーも穏やかな気持ちになる。
セリスの明るい声が、こちらにまで響いてくる・・・
「あはは、エドガーらしいわね!」
「ええ・・・でも私、その時はほんとに何も分からなかったから・・・怪訝な顔をされちゃったわ」
「あら図々しい。怪訝な顔をするのはティナのほうでしょうに。いい、ティナ? 今同じことを言われたら、遠慮なくトランス後のフルパワーで大地に沈めて構わないのよ?」
「そ、そうなの!?」
「いえ・・・まあ、気持ち的には」
セリスがものすごく適当なことを教えている。
実行されたらどうしよう、とエドガーは自分の命に危惧を感じた。
「でも、ね。あのときは訳が分からなかったけど・・・今は、違う気持ちになるの」
つっかえつっかえ、ティナは話す。
まだ、自分の気持ちを表現することには、慣れていないのだろう。
『私の口説きのテクニックも、錆びついたかな?』
ティナは目を閉じて、ゆっくり考えているようだった。
そして、目を開けると──ふわりと微笑む。
「本当に・・・・・・いたたまれない、気持ちに」
花開くような、笑顔であった。
~回想終了~
「・・・・・・あ痛ー・・・」
「セリスもそれを聞いて、いたたまれない気持ちになったようだった。物陰にいた私に気づいて同情の目線まで送ってくる始末。だが次にセリスが口にしたことは否定ではなく、『まあ・・・そうよね、もっともね』だった。あのときばかりは私も、フェミニストの信条を砂漠に投げ捨てて討って出ようかと」
だがたぶん返り討ちにされるだろう。
「ああ・・・うん、色々残念だったな兄貴」
「しかもティナは本心から言っていた。そればかりか、『あほなんじゃないかと・・・今でも、そう思うの。これも私に感情が足りないせいなのかしら・・・?』とつっこみ所しかない発言をかぶせてきた。人をあほ呼ばわりしたことを感情が足りないせいにするのはどうだろう」
「ああ・・・うん・・・」
もはやまともな返答ができないマッシュである。
「だから私はいじけた気持ちになってチョコボに乗って遠くのオアシスまで行き、そこで完全にいじけて膝を抱えた」
「えぇー・・・」
「そしたら、心配して迎えに来てくれた」
「誰が」
「ティナが」
「・・・・・・・・・」
その珍妙な瞬間をマッシュは想像しようとして、そしてやめた。
人間だもの、知りたくないことだってある。身内の恥とか身内の恥とか身内の恥とか。
「彼女は、エドガーどうしたの、心配したのよ、と言うとひらりと馬からおりた」
「へ? 馬? チョコボじゃなくってか?」
「ああ馬だった。オーディーンの」
「オーディーンの馬! オーディーンはどうしたんだよ!」
「そこは積極的に考えないようにしている」
オーディーンには後で謝ったほうがいい(ティナが)。
弟の動揺からもそっと目をそらして、兄は淡々と続ける。
「彼女はいずれバハムートも乗りこなしてみせると言っていた」
「いや・・・何の話ししてんだよ」
「夢を語る彼女の瞳、筋骨隆々たる馬、そしてレベルの低い出現モンスターにまで容赦なくアルテマをかます可憐な姿を見て私は思った」
「や・・・え、可憐? でなく・・・ええと・・・兄貴?」
エドガーはくるりと振り向く。目が真剣だった。
「マジかっこいい、と・・・」
「帰ってこい兄貴!!」
しかし、陥った珍妙な世界から兄貴が帰ってくることは、結局なかったのである。
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笑わせて頂きました^^
こんにちは、初めまして!
エドティナ小説を探してサーフィンしていた所、こちらのブログを見つけたので拝見させて頂きました。
どっぷりツボです(笑)。
フィガロ兄弟の会話も楽しいですし、何よりティナ最強な辺りが。
いつかバハムートを乗りこなすティナを夢みつつ、報われない陛下を応援させて頂きます^^。
これから増えていく作品も楽しみにしています!
それでは、失礼致しました。
エドティナ小説を探してサーフィンしていた所、こちらのブログを見つけたので拝見させて頂きました。
どっぷりツボです(笑)。
フィガロ兄弟の会話も楽しいですし、何よりティナ最強な辺りが。
いつかバハムートを乗りこなすティナを夢みつつ、報われない陛下を応援させて頂きます^^。
これから増えていく作品も楽しみにしています!
それでは、失礼致しました。
Re:笑わせて頂きました^^
う、うああああありがとうございます!
私がぼやぼやしている間に、このような暖かいお言葉が…!
気づくのに十日かかってる時点で土下座します。でもほんとうに歓喜したことだけはお伝えしたく…!!ありがとうございましたー!!
しばらく忙しかったのですが、ようよう時間がとれそうです。エドティナはもう、言葉にできなくってギャグに走りすぎて結局マッシュの話になる可能性を秘めるほどに好きなので、お話を書いていきたいです。そぼろさま、お暇なときに来てやって下さいませ。トロいですががんばります。
私がぼやぼやしている間に、このような暖かいお言葉が…!
気づくのに十日かかってる時点で土下座します。でもほんとうに歓喜したことだけはお伝えしたく…!!ありがとうございましたー!!
しばらく忙しかったのですが、ようよう時間がとれそうです。エドティナはもう、言葉にできなくってギャグに走りすぎて結局マッシュの話になる可能性を秘めるほどに好きなので、お話を書いていきたいです。そぼろさま、お暇なときに来てやって下さいませ。トロいですががんばります。